先日の私自身のつぶやき、想像以上にたくさんの方が共感して下さいました。
博士に進んだからと言って、研究「職」に拘る必要は全くなくて。
自分の人生や社会、そして所属組織における課題を「研究」出来る人材として活躍できればそれで良いと思います。— tabe@創薬研究/博士就活ブログ (@tabe_phdcareer) April 21, 2019
そこで本記事では、博士に在学中の方、そして博士進学を検討している方に、
もう少し踏み込んで、「何も考えずに研究をやっていては駄目だ!!」
というメッセージを書くことにしました!
研究に集中する前に、この視点を持って日々研究に励んで欲しい。
そんな想いを込めて、3つの視点を本記事では紹介します。
こんなアドバイスを博士進学前にして欲しかった…過去の自分に立ち返って書いています。
ぜひ、より有意義な博士課程の生活にしてください!!
人から聞いた情報を鵜呑みにしないこと
まず一つ目は、常識を疑う視点を必ず持って欲しい、というメッセージです。
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いやいや、そんな事わかってるよ…
今、そう思いませんでしたか?
でも、少しだけ振り返ってみてください。
普段、教員の言ったことを、論文を調べもせず、自分の主張にしていませんか??
上記に自信を持って「いやいや、ちゃんと調べてるよ」という方は、
もうこの記事は必要ないかもしれません。
しかし、そんな方ばかりではきっと無いと思います。
残念ですが、教員が言っていることは、全てが正しいわけではありません。
そして論文の主張ですら、正しい保証は全くない。(総説は言うまでもありません…)
自分の目で見極めた情報で足元を固めておかないと、いつかその「研究」はグラついて倒れます。
論文を客観的に評価し「その論文の本当の主張を捉える」、その上で「自分の主張を組み立てていく」。
上述の意識をどうか大切になさってください。研究者として行きていく上でも、そうでなくても、
自分の目で世界の状況を考察し、自分の行動に反映できることは必ず武器になります。
そしてこのスキルは、博士学生がその課程を通じて高めることのできるスキルです。
自分で解決する意識を「本気で」持とう
教員から言われたことで、何となく研究方針が明確になりますよね。
しかしそれだけで満足していたら、技術的な成長はありますが、それ止まりです。
他の記事でも書いたことがありますが、博士は0から1を生み出すことを求められる存在です。
1を100にするお仕事も大切ですが、博士の方々が担当する場所はそこでは無いはず。
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でどうすれば、0→1が出来るようになるの??
少なくとも私がみなさんに大切にして欲しいと願うことは、
ご自身の研究を「教員が居なかったらどうやって進めるか」について日々、本気で考えてみて下さい。
研究のリーダー(集団のトップと言う意味ではなく、文字通り、導く者)は、教員ではなく、あなたです。
会社に行っても大学に残っても、どの社会に飛び出しても、自分の課題は自分で解決するものです。
学生という身分に決して甘えることなく、自分の研究を通じて、
自分自身の課題設定能力と解決能力を磨いて下さい。
会社に入っても、博士の学生は特に即戦力としての働きを期待され、入社後多くの提案を求められます。
例えばこんなイメージ。
![](http://tabe-phdcareer.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/doctor.png)
この課題、全部tabe君に任せる。
考えられるオプションとそれぞれのメリット・デメリット、
やるとしたらどんなプランと時間・費用・人が必要か提案してもらえる?
入社して早速、こんなイメージです。(イメージと言いつつ、現実とそんなに遠くもないです…。)
この環境で活躍できるかは、博士課程での経験の蓄積にかかっています。
ぜひ、自分の研究は「自分で責任を取る」という覚悟で、まずは全て自分で決めましょう。
自分の考えを出来る限り明確にしてから、教員に提案して、それから教員の意見を聞きましょう。
手を動かしてばかりいては成長はいずれ止まります。
思考する時間をしっかりと設けて、innovatorとしての自分を磨いて下さい。
博士は専門だけを極めたら良い、これは嘘
もちろん中には、博士課程で学んだ専門や技術を使って飯を食っていく人たちも居ます。
でも、そんな人ばかりではありません。そのため、博士の人が学ぶべきは、
上述した「0→1を自分の研究テーマを題材に学ぶ事」だと考えています。
この0→1ノウハウや考え方は、違う分野に移っても十分発揮できるものです。
さて、このノウハウ意外にもう一つ大切な視点、「博士こそ幅広く社会や世界を知ろう」
最後にこちらについて触れて記事を終わりたいと思います!
大学院の専門について世界中の誰よりも詳しくなる、先頭者になる事は勿論大切です。
しかし、専門でしか発揮できない目先の知識や技術にとらわれず、
自分の行動や成長しているスキルは、社会に出た時どう活きるのか、考える時間をぜひ設けて下さい。
では、どうすれば上手く考察が捗るでしょうか??
私の個人的なオススメの方法は、社会について考察している数多くの本を読むことです。
これが一番手っ取り早く、自分のキャリアに対する思考の幅を広げてくれます。
例えばこんな本なんてオススメです。
上記は、「世界についての正しい見方」を教えてくれます。
世界を変えたいと願う前に、もう少し世界について知ってみてはいかがでしょうか?
こちらは、今私達が生きる世界が何故生まれ、どのように形成され、そしてこの先どこへ向かうのか、
そんな大きなテーマについて、独創的かつ説得力のある文章で伝えてくれます。
まだまだ、たくさん紹介したい本があります。
ぜひ下記の記事も読んでいただき、またコメントやTwitterで話しかけていただければと思います。
![](https://tabe-phdcareer.com/wp-content/uploads/2019/03/エントリーは?-絞る?多め?-1-160x90.png)
社会を知れば知るほど、自分自身の活躍の場もたくさんあることにきっと気が付きます。
世界を変えたいと願う私たちが世界について無知であって、一体何が生まれるのでしょう?
まとめ
以上です!
偉そうに色々と書きましたが、私自身も博士課程の後半で気が付いたことばかりです。
そして今も全く自分の現状には満足できておらず、
日々上記を意識して企業での研究やプライベートの読書を続けています。
オススメの本の一部は下記記事で紹介しましたが、
まだまだたくさんあるので、今後ブログで紹介していきます。
ぜひ一緒に、自分自身のキャリアをしっかりと見据え、世界を知り、
自己成長と社会貢献を両立して行きましょう!!
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